第7章 #4~I need surprises in my life
「あ!主!おかえりなさい!」
広間に入るや否や、加州くんが飛び付いてきた。
「あれ?服が違う…着替えちゃったの?」
「う、うん…就任の儀が終わったからイイかなって…」
「えー、あれ可愛かったのにぃ」
「そうかな?私はちょっと恥ずかしかったよ…」
「でも今のも可愛い」
じっと目を見て恥ずかしい素振りも見せずによくそんなセリフが言えるよなあ…
しばらく抱きしめられたまま見つめあい、そろそろ耐えられないぞこれ…ってタイミングで。
「お!おんし、着替えたんじゃな!洋服もええのう、可愛ええ可愛ええ」
ものすごい声のボリュームで陸奥守さんに褒められる。
この歳でそのボリュームで可愛いを連呼されると流石にいたたまれない気持ちになってくる。
そりゃあ、見た目はともかく、年齢は遥かに上の方達ですから…自分なんてまだまだ子供なのかもしれませんけど…
「さぁ、そろそろ離れてあげないと、主が困っていますよ」
ものすごい量のおにぎりを盆に載せて入ってきたのは始めた頃早々に鍛刀で来てくれた蜻蛉切さんだった。
「やーだっ、主は俺のだもん」
「お前のじゃないよ、離れなよ清光」
また剥がしにくる安定くん。
「さ、お昼食べよう、ね?」
剥がされてしょんぼりしてる加州くんの頭をそっと撫でるとぱあっと桜が舞った(ように見えた)。
「うん!俺は主の隣ね!」
朝の事件があったからか、有無を言わさず加州くんの隣に座らされる。隣には誰も来ないように端っこ。
「主の分取ってあげる!何がイイかな?」
こうやって見てるとフツーの男の子なんだよなあ…
刀の付喪神…かぁ…そんな中に放り込まれて早数時間、徐々に馴染み始めてるわたし…まあ、歓迎ムードなおかげもあるけど…
人生何が起こるか本当に分からない…
「お昼からの予定ですが…」
食べながら今後の予定をこんのすけから聞いていると横からひょっこりと現れた彼。
「やぁ、話の途中にすまないね、ちょっとイイかな?」
「燭台切…さん」
「さんは要らないよ、主」
いや、そういう訳にも…
「さっき何人かの刀剣男士達で今夜夕餉の時に主の歓迎会を開きたいね、って話してたんだ」
「歓迎会ですか!良いと思います!」
「…君はどうかな?迷惑かな?」
「迷惑だなんてそんな…!むしろこんなわたしを歓迎して頂けるなんて恐れ多くて…」
