第6章 #3~Greeting to everyone
「はーい、ちょっと静かにしてー」
先に広間に入っていった加州くんが朝ごはん前でザワついている皆に声をかけた。
わたしは広間の外で薬研くんと待機。
めちゃくちゃ緊張して来たんだけど…!
「大将、顔色悪いぜ、大丈夫か?」
「ダイジョブジャナイ」
「こりゃダメだ」
どうしたもんかと腕を組んで数秒悩み、ポンと手を叩いた。
「俺っちが手繋いでてやるよ」
「ファッ!?」
「ダメか?緊張が少しほぐれると思うんだが」
なおのこと緊張しそうなんですけどォ…!
「ん、大丈夫、みんな大将の事待ってたんだから」
「…はい」
差し出された手をそっと取るとぎゅっと握ってくれる薬研くん。不思議と緊張はほぐれていったんだけど別のところに意識がいっただけなのかもしれない。
…薬研くん、ドキドキしてる
心なしか恥ずかしそうにそっぽを向いて広間から呼ばれるのを待っているように見えたのがとんでもなくキュンとしてしまったわたし。
彼が近侍で良かった、そう思った瞬間だった。
乱「なーにー?加州さーん」
鯰尾「お腹減ってるんだから、早くしてください」
燭台切「みんな静かにしないと朝ごはんも遅れちゃうよ?」
「そーゆー事、今日はみんなに大切なお知らせがありまーす」
「もしかして、きょうなんですか!?」
小耳に挟んでいたのか、今剣が目を輝かせて立ち上がる。
小夜「…何か知ってるの…?」
長谷部「もしや、主が!!!」
更にザワつく広間。
その騒ぎっぷりは広間の外にいる二人にも届いていた。
「…なかなか入れそうにねぇな」
「そう…だね」
このままでも良いかも、なんて思ってる自分がいたけどそんなに世間は甘くなかった。
「主!この長谷部が誠心誠意かけて!!!」
「あっ!待って!長谷b」
加州の制止も虚しく、スパァン!と勢い良く広間の入口が開かれる。
その音に驚いたわたしと薬研くんは固まってしまう。
「あ、主…!?」
「あ、え、っと………どうも…」
長谷部さん…だよね、このジャージのお兄さん…
しばらく見つめあっていてそろそろ耐えられなくなってきたタイミングで長谷部さんの視線が落とされる。
その視線を追っかけた先は
繋がれた手。
「主…それは…?」
「えっ!?あっ!あ、え、これは…!」
パッと離そうとしたけど思いの外薬研くんがぎゅっと握っていたので離れなかった。
