第2章 過去
『...わからないの』
「優美、9代目もオレもみんなお前の味方だ。お前の決めたことに文句を言うやつなんかいねぇ。だから余計なことは考えず、お前のしたいようにすればいい」
優美が俯いたのを見て、リボーンは自分の小さな手を優美の手に乗せながらそう言った。
『...ティモとね一緒に居たいの。でもティモ忙しそうだから。それにここにいるとお兄ちゃんのこと思い出しちゃって辛いの。でも...誰も知らないところは怖い...。リボーン、ちょっとだけいい?』
「あぁ、いいぞ」
優美はリボーンをぎゅっと抱き締める。リボーンは優美が落ち込んだときや悩んでいるときに自分に会うとこうすると知っていたため、了承をしたのだ。しばらくしてリボーンから離れた優美はにっこり笑った。
『リボーン、ありがとう!私決めたよ。ティモのところ行ってくる!』
そう言うと、そのままリボーンは置き去りに走っていってしまった優美。しかしリボーンは怒ることはせずにボルサリーノを下げて顔を隠し、微かに笑った。
『ティモ!!』
ティモッテオのところに戻ってきた優美は、扉を思い切り開けてティモッテオの前に走りよる。
『ティモ!私、日本に行く!』
「そうかい、家光には私から伝えておくよ」
『うん!』
そこからはあっという間の日々だった。まずリボーンを始めとしたアルコバレーノのみんなに挨拶をして、それから暇なときに遊んでくれたキャバッローネファミリーのボスであるディーノやファミリーのみんなに挨拶をした。そして今日は...
『......』
優美はとても緊張していた。優美から挨拶をしたいと言ったことは間違いないのだが、二人きりで会ったことはなかったからだ。
「う"お"ぉぉい!待たせたなぁ!」
『スク!久しぶり』
やってきたのは、スクアーロだ。スクアーロ達とは、ザンザス繋がりで知り合っていて、今回挨拶だけはしようと思って呼んだのだった。
「久しぶりだなぁ!で、どうしたんだぁ?」
心配そうに優美を見たスクアーロ。
『私、日本に行くの!だから挨拶しに来たの』
「!!そうかぁ、なにかあったら言えよぉ?すぐ飛んでってやるからなぁ!」
スクアーロは優しく優美の頭を撫でたのだった。