第8章 山本武
私が急いで行くと、2人は笑いあっていた。
『ツナ!武!』
「優美?!」
「お〜、優美」
驚くツナとのんきにしている武。私はずんずんと武に近寄って抱きついた。
「ええぇ!!」
『無事で良かった...!』
ツナが驚きの声をあげるが、私は気づかなかった。前の隼人のダイナマイトのときはリボーンがいたことでそんなに心配はなかったのだが、今日は本当にどうなるのか心配だったのだ。私が離れると武は頭を撫でてくれる。
「ごめんな〜」
『もうあんなの嫌だからね!』
「おうよ」
私はそれを聞いて武に笑顔を向けてから、ツナにも抱きつこうと手を広げて固まる。
「...優美?」
『えっと、その、うん。ツナも無事で良かった!じゃあもう行くね!』
ツナが固まった私を不思議そうに見るが、私はそれだけ言って教室に戻る。
「山本、優美と知り合いなの?」
「おう!」
それから5分後、ツナはやっと優美の固まった意味がわかった。死ぬ気モードになったということはツナはパンツ一丁なのだ。
「はずかし〜〜っ」
「見て、アレ」
「ヘンタイだっ」
両手で顔と体を隠して、廊下を進むツナ。その様子を偶然見た京子はにっこりとした。
『ツナ?』
「優美!」
私が家までへの道を歩いていると偶然にもツナとバッタリ会う。一緒に帰ることになり、世間話をしていた。しかしツナが言いにくそうに口を開く。
「その...優美は山本と仲いいんだね」
『武?うん、幼馴染だからね』
ツナが言いにくそうなため何を聞かれるのか身構えたが、武のことだった。
「え?!そうなの?」
『うん。ほら私よく公園に行ってたよね?その時に武と仲良くなったの』
私は日本に来てから、近所にある公園によく遊びに行っていたのだ。そこには1人で行っていた。だからツナは武のことを知らない。実は武のお父さんとも仲がいいのだが、それはまたいづれ。
「そういえば、よく行ってたね」
『そうそう!』
そこから私は武との思い出話を笑顔でし始める。
「(なんだろ...なんかモヤっとする?いやいや!気のせい、気のせい!!)」
ツナがそんなことを思っていたなんて気づくはずもなかった。