第2章 過去
それを聞いた優美が疑問に思ったことがひとつ。
『ティモは?ティモは一緒?』
「私は一緒ではないよ」
悲しそうな顔をして俯いてしまった優美。
『...優美、邪魔?』
今にも泣き出しそうな声に、ティモッテオは驚く。まさかそんなことを考えてしまうなんて。
「邪魔ではないよ。優美は私の大切な家族だ。嫌ならここにいていいんだよ。ここは優美のお家だからね」
ティモッテオは、膝の上に乗っている優美を軽く抱き締め、背中を優しく撫でてそう言った。
『...考えていい?』
「ゆっくり考えなさい」
優しく笑ったティモッテオに抱きついてそのまま寝てしまった優美をティモッテオは悲しそうな顔で見る。あのザンザスの起こしたクーデターによってボンゴレ本部は少しバタバタしているのだ。ボンゴレのボスであるティモッテオは、忙しくなるためそれでは可哀想だと思ってさっきの提案に繋がったというわけだ。もちろん、家光も家光の家族も快く了承してくれた。ティモッテオは、寝てしまった優美をそっと抱き上げて、ベッドに寝かせる。優美に優しく毛布をかけてから静かに出ていった。
『......寝ちゃった。そっかティモに寄っ掛かって寝ちゃったんだ...』
そう呟いてから優美は起き上がった。そしてティモッテオの言っていたことを考えるが、なかなか決まらない。気分転換をしようと思った優美は、部屋から出た。すると少し前に見たことのある人を発見した。
『リボーン!』
「優美か、ちゃおっス」
『ちゃおっス!ねぇリボーン時間ある?』
「いいぞ」
その返答にニコッとした優美はリボーンを抱き上げて、部屋に戻る。部屋についた優美はそっとソファーにリボーンを降ろすと、自分もその隣に腰かけた。
「どうしたんだ?」
『あのね、リボーン。ティモが日本に行ったらどうかって言うの。寂しくないように、いえみつの家族がいてその人たちと暮らしたらどうか?って。でも優美が嫌ならここにいていいって。どうしたらいいのかな...』
「お前はどうしたいんだ?」
『私?私は...』
リボーンに話をすると、リボーンはそう問いかけてきた。でも答えが見つからず、黙りこむ。