第7章 退学クライシス
「上條」
「川田」
「栗原」
今日は理科のテストが返ってくる日である。結愛も返ってきたみたいだ。
『結愛、どうだった?』
こそこそっと聞くと、笑顔が返ってきた。どうやら良かったみたいだ。
「大泉」
「はい」
名前を呼ばれたため前に行き、戻ってくる。点数を見ると3桁だった。
「沢田」
ツナの名字が呼ばれたため顔をあげると、おどおどしているツナ。ツナが返事をして前に行くと、理科の先生である根津先生は舌打ちをした。そしてツナがテストを取ろうとすると、根津先生はそれを交わす。
「あくまで仮定の話だが......クラスで唯一20点台を取って、平均点をいちじるしく下げた生徒がいるとしよう」
「あの...っ?」
突然、仮定の話を始めた根津先生にツナは戸惑いを隠せていない。
「エリートコースを歩んできた私が推測するに、そういう奴は学歴社会において足を引っ張るお荷物にしかならない」
根津先生は眼鏡の真ん中をくいっと持ち上げてそう言った。先生がそんなことを言うなんてありえない話だ。
「そんなクズに生きている意味あるのかねぇ」
「うわーーーーっ」
根津先生はわざとなのかテストをペラっとしたため、みんなにツナの点数が見えてしまった。
「見えた!」
「わ、26点!」
「やっぱダメツナか...」
教室はどっと笑いが起きる。そそくさとツナは席に戻った。
「(くっそー、根津の奴本当にイヤな奴だぜ。自分が東大卒だからって勉強できない奴をいつもイジメるんだ)」
ツナは顔をしかめている。そんななかガラッとドアが開いた。
「獄寺君...」
入ってきたのは隼人だ。そんな隼人に根津先生が机を叩いて怒る。
「コラ!遅刻だぞ!!今ごろ登校してくるとはどういうつもりだ!!」
「あぁ?!」
隼人は根津先生をギロッと怖い目付き睨み付け、根津先生は怯えてしまう。
「やっぱこえーよ、あいつ...」
「先パイ達をしめ返したって話だぜ」
クラスメイト達がこそこそと話し出す。隼人はというと、ツナのもとへズンズンと歩み寄る。
「おはよーございます、10代目!!」
ツナに向かってバッと頭を下げた隼人。ツナはビクッとしている。
「ねぇ、あれなに?」
『仲良くなったんじゃないかな?』
結愛が問いかけてきたが、どう話したらいいのかわからずにそう言った。