第6章 獄寺隼人
するとツナがドンッと誰かにぶつかってしまう。誰にぶつかったんだと見上げれば、3年の不良にぶつかってしまったらしい。
「ごめんなさい!ごめんなさい!優美行くよ!」
『ちょっ、ツナ?!』
ものすごい勢いで謝ったツナは、私の手を引っ張り中庭へと逃げたのだった。
「あっぶね―――っ、ヘタしたら半殺しになるとこだったぜ......」
「目に余るやわさだぜ」
裏庭まで走ってきて、後を追って来ないことを確認するとツナは安心したようにそう呟いた。しかし横から声が聞こえてくる。そこにいたのは煙草を吸っている転入生だ。
「!き...君は、転入生の...!そ、それじゃこれで」
ビクッとしたツナは、私の手を引っ張りその場を去ろうとする。しかし届いた言葉に足を止めざるをえなかった。
「おまえみたいなカスを10代目にしちまったらボンゴレファミリーも終わりだな」
「え?!何でファミリーの事を?」
ボンゴレのことを言われて、うろたえるツナ。私は、どうしたらいいのかわからないので見守ることにした。
「オレはお前を認めねぇ。10代目にふさわしいのはこのオレだ!!」
「な?!なんなんだよ、急に!そ...そんなこと言われたって...」
ツナは、突然すぎる出来事に動揺を隠せない。
「球技大会から観察していたが、貴様のような軟弱な奴をこれ以上見ていても時間のムダだ」
「バレー見てたの?!」
「目障りだ。ここで果てろ」
転入生はどこからかある物を取り出す。それはダイナマイトだった。
「んなぁ?!バ!爆弾?!」
そして転入生はタバコで導火線に火をつけると、それをツナの目の前に投げる。ツナは涙目で見るばかりで動くことも出来ないみたいだ。そういう私もどうすることも出来ずに固まっていた。あと少しで爆発しそうで、もうだめかと諦めた瞬間...弾が導火線の火を消すかのように当たり、爆発はまのがれたのだった。そして現れたのは
「ちゃおっス」
「!リボーン」
『リボーン!』
ダイナマイトの導火線を消した当人であるリボーンだった。
「思ったより早かったな獄寺隼人」
「ええ?知り合いなの?」
「ああ。オレがイタリアから呼んだファミリーの一員だ」
転入生のフルネームを呼ぶリボーンにツナは驚く。さらに驚く事実を言われたためツナは叫んだ。