第3章 始まり
ツナは言葉を続ける。
「オレ、家庭教師なんてぜってーヤだからね!どーせ何やったってムダなんだって!」
ツナが叫んだところにある人物が現れる。
「ちゃおっス」
聞き覚えのある声に私はツナの部屋に急いで入る。そこには大きな瞳にタレ眉でクルッと巻いたもみあげ,ボルサリーノを被り黒スーツを着て、帽子に緑色のカメレオンを乗せている赤ん坊がいた。驚きのあまりに声が出ない私をよそに会話は続いていく。
「3時間早くきちまったが、特別に見てやるぞ」
「ボク...どこの子?」
「ん?俺は家庭教師のリボーン」
奈々さんはリボーンを見てそう聞く。奈々さんの言葉を受けてリボーンは答えた。
「ブッ」
「まぁ!」
ツナは吹き出し、奈々さんは驚きの声をあげる。ツナはそのまま大笑いして言葉を続けた。
「うさんくさい広告の主がどんなやつかと思ったら、この赤ん坊?!」
「お前がツナか」
「悪いけど、お前に教わることなんてないよ!」
次の瞬間、ドラッとリボーンはツナを蹴る。強烈な一撃だった。その衝撃に耐えられず、ツナは気を失ってしまう。
「そんじゃーはじめっか、この部屋だな」
『リボーン!!』
「ん?優美か、久しぶりだな」
「あら、優美ちゃん知り合いなの?」
ようやく声が出た私がリボーンに声をかけて、リボーンが答えると奈々さんにそう聞かれる。
『そ、そうなんです!えっとツナのことは私が見ていますよ』
「そうだったのね!ありがとう、じゃあお願いするわ」
誤魔化すように笑いかけると、奈々さんはにっこりして部屋を出ていった。
『リボーン...いい?』
「いいぞ」
久しぶりにリボーンをぎゅっと抱き締める。
『ふふ、ありがとう、リボーン』
「どういたしましてだぞ」
『それでリボーンは何しに来たの?』
リボーンにお礼を言って離して、なんでここにいるのか不思議に思って聞くと誤魔化されてしまう。
「おねむの時間だぞ」
リボーンは私の太ももに乗り眠ってしまった。
『...もう、仕方ないなぁ』
それから数時間後、気を失っていたツナが目を覚ます。
「何だったんだ...」
『ツナ、おはよう。大丈夫?』
「優美、大丈夫。...ってそいつ!!」
ツナは私の声にこちらを見て、膝枕状態で寝ているリボーンを見つけ叫んだ。