第3章 始まり
途中で結愛とは別れて、家に向かって歩いていたがそういえば今日は奈々さんに夕飯に誘われていたことを思い出し、沢田家に向かうことにした。
『奈々さん、お久しぶりです』
「優美ちゃん、久しぶりね!つーくん、お部屋にいるからね」
『わかりました』
奈々さんに笑いかけてから、ツナの部屋に向かう。
『ツナー、優美だよ!入っていい?』
「優美?!」
バタバタ少し音がしてから、ツナが顔を見せる。
「い、いいよ!」
『ありがとう』
中に通してもらって、適当に座った。ツナに漫画を貸してもらって読むとツナも寝転びながら漫画を読み出す。少ししてお手洗いに行きたくなった私は、ツナに声をかけてから向かった。部屋に戻ろうとトイレのドアを開けると奈々さんの声が聞こえてきた。
「綱吉――学校から電話あったわよ。また途中からサボったんだってねぇ。あんた将来どうするつもり?」
どうやら階段をトントン登りながら話しているみたいだ。
「べつにィ...」
「母さん、別にいい高校や大学に行けって言ってるんじゃないのよ」
「だまって部屋に入るなよ!!」
ガチャっとドアを開けてツナの部屋に入った奈々さんに、ツナが怒鳴る。私はというと部屋に入りづらくなってしまい、廊下でしゃがみこんでいた。盗み聞き状態になっている。
「あんたみたいに退屈そーにくらしても一生。楽しくくらしても一生なのよ!ああ生きてるってすばらしい!って感じながら生きてほしいのよ!」
「そーゆーこと人前で言わないでね。はずかしいから」
ツナがため息をつきながらそういった。
「ツーっくん...今日家庭教師の先生来るの」
「家庭教師?!」
驚いたのか大声を出すツナ。私はもうすでに入るタイミングを失った。
「ポストに面白いチラシが入っててね。'お子様を次世代のニューリーダーに育てます。学年・教科は問わず リボーン'ステキでしょ?こんなうたい文句見たことないわ」
「うさんくさいよ!!」
ツナは、奈々さんに突っ込みを入れる。リボーンか...。元気かなぁ。私はその名前に聞き覚えがあったためちょっと感傷に浸っていた。同一人物だとはまさか思わない。だってリボーンは...
「きっと凄腕の青年実業家庭教師よ!母さんこういう家庭教師に見てほしかったの」
「勝手にイメージつくんなよ!」