• テキストサイズ

Luce e Concerto di neve【復活】

第2章 Incontri


「恐らく15時から17時にフランスのこの界隈に現れる」



15時…現時刻は11時。距離的には急げば全然間に合うな。



「僕達の様に胡蝶を探し求めてるマフィアが幾つかある。抗争になる可能性が高い」

「何それ面白そ♪王子も行くー」

「遊びじゃないのよベルちゃん!でも胡蝶は私達ヴァリアーが頂くけどねっ!」



抗争になる可能性があっても、たかがスカウト如きにボスは腰を上げねぇ。レヴィもボスの傍から離れねぇしモスカ…コイツはただの木偶の坊だ。まぁ幹部四人も行けば問題は無いか。



「行くぞ。他の連中に遅れを取る訳には行かねぇ」





※※※





山を降りると小さな港町。舗装されてない石畳の道路に煉瓦の家。道行く人々は決して裕福そうな格好をしている訳では無い。だけど活気もあって皆が楽しそうな素敵な街。こんな小さな田舎はまるでマフィアとは無縁のところ。だからこそ三年も平和に過ごせては居るんだけども。



-ザワザワ-



今日は朝から嫌な予感がしてた…て言うか現在も嫌な予感はしてる。この街には不釣り合いな高級車が道路を走っていたり道端に停車してたり。完全にこっち側の人間だと思われる沢山の黒服が街を彷徨いていた。



「?」



-サッ-



「どうした?」

「いや、気の所為だ」



反射的につい隠密行動になってしまうのは身体に染み付いてしまってるものだから仕方無い。何か事件でもあったのだろうか?こんな小さな平和な田舎の港町で…いや、それは無い。新聞は朝刊夕刊毎日チェックはしてる。もし何か事件があったとしても動くのは警察。となると…やはりマフィアが動いてるくらいだから、裏社会のお尋ね者でも探しているのだろう。



『…』



この街…って言うか山奥の村に住み出して三年経つけど…こっち側系の人間はこの街界隈で見た事が無いから………



『…待って』



居るじゃない一人。此処に。いやでも有り得ない。前のファミリーのあの大きな事件でアタシは多分死んだ事になってるハズ。それにいくらマフィア界でアタシの存在が有名だったとしてもアタシの容姿や姿形は基本的に誰も知らない。だって知ってる人は全員消してるもの。噂だって独り歩きしてたくらいだから大丈夫。



『念には念を』



取り敢えず白衣は脱ごう。医者の格好してたら怪しまれるかも知れない。
/ 64ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp