Luce e Concerto di neve【復活】
第2章 Incontri
既に何処かの組やチーム、マフィアに所属している。中にはフリーの奴も居るのは居るが、そう言う奴は大概足取りや居場所は掴めない。
「そもそもヴァリアーで生きて行ける医者など居らん!ボスには俺が居れば充ぶ「あっ」む!?」
レヴィの変態発言を遮る様にルッスが何かを思い出したのか声を上げる。すると部屋の隅にある(だけどボスは使用しない)パソコンに近付いて起動させる。カタカタとリズム良く叩かれるキーボードの音に耳を傾けながら下っ端に死体や瓦礫の処理を命ずる。
「んー!あったわー♪これこれ!この子どうかしら?」
甲高い声を上げて身体を嬉しそうにくねらせるが至って興味無さそうに椅子に座ったままのボスの代わりにパソコンを覗き込む。
「…Farfalla ammaliante…!胡蝶か!!!」
一同「!!」
「………?」
確かに胡蝶なら裏社会トップクラスの医者だし凄腕の殺し屋だ。さっきボスに殺された医者より…どちらに関しても腕はかなり上。しかしコイツは数年前の大型マフィアの壊滅と同時に姿を消したハズ。探してるマフィアは多いが消息は未だに全く掴めてないと聞いてるし、そもそも生きているかも分からない。
「最近フランスで胡蝶らしき人物を見掛けたって情報が出回ってるのよ」
「その話なら僕もフランスに仕事へ行った時に耳にしたよ」
「写真とかねぇのか!?昔っから胡蝶は写真が出回らねぇ」
「そうねぇ…」
だから噂や評判は耳にしても容姿なんかは分からない。ただ一つ誰もが認識している情報は東洋人。たったそれだけ。
※※※
「んー…無い、わね。これ一枚しか。三ヶ月くらい前の写真ね」
数十分後、ルッスーリアが疲れた様に身体を伸ばしながら画像をクリックする。しかし拡大された画像はかなり遠くからズームで撮影されたものなのかボヤけ過ぎてて分からない。画像解析をしてみても分かるのは黒い長髪に白い羽織を着てるって事くらいだし服装なんて変わるものだから何とも言えない。
「マーモン粘写頼む」
「スカウトするの?」
「話は会ってからだ」
「ちゃんと口座に指定の金額払っておいてよ」
「金金うるせぇ」
-ズビーッ-
「むむ…」
一同「?」
小さく呻いた後に近くにあった地図を広げてペンで印を付ける。