Luce e Concerto di neve【復活】
第10章 Anello
「ゆっくりお酒でも飲んでるんじゃないかしら?」
-ガチャガチャ-
「居たか!?」
「居ない…」
「くそ…あのガキ何処に逃げやがった!?」
「探せ!探すんだ!」
「キャスケット帽を被った薄汚いガキを探せ!」
わらわらと爆煙の中から出てきたのは銃火器や剣等の武器を携えた屈強な男達。マフィアって感じでは無さそうだけど小規模のギャングくらいか。にしてもそんな人達が子供を追い回してるなんて。キャスケット帽を被った…子供…あ!さっきぶつかった男の子!
「ん?それってさっきのクソガキじゃね?」
「あ゙ー舞姫とぶつかったあのガキか」
「あらん?知り合い?」
「超失礼なクソガキ。な、舞姫」
『………』
「舞姫?」
確かに失礼な子供だったけども。どんな理由があれ怖い大人が怖い武器を持って子供を追い掛け回すのは正直許せない。
『御免…アタシ気になるから行く』
「「「舞姫(ちゃん)!?」」」
※※※
-ドカッ-
「ゔっ…」
「このクソガキ…よくも俺達を騙してくれたな」
斬られた脇腹を蹴り上げられ痛みに悶えていると追い討ちを掛ける様に脇腹を踏まれて血が溢れる。霞みそうになる視界と遠のきそうになる意識を必死で繋ぎ止めて言葉を絞り出す。
「兄ちゃんと…弟を離せ…」
「やだね」
-ザクッ-
「ごふっ…」
「兄ちゃん!!!」
鋭利な剣が兄ちゃんの腹を貫通する。投げ捨てられた身体から血が溢れて白い床には真っ赤な血溜まりが出来る。
「こっちのチビにはコレだ」
-カチッ-
と弟の頭に宛てがわれた拳銃の恐ろしい引金に指がかかる。
「やめてくれぇー!!!」
-パァン-
※※※
もう駄目だ、と思ってぎゅっと目を瞑った。でも聞こえて来たのは何かが倒れる音と男達の断末魔。踏まれていた脇腹も軽くなって恐る恐る目を開けると白目を向いて口から泡を吹く男。最早原型を留めてないくらいバラバラになった男。死んでいる。
-カツッ-
新しく聞こえる数名の足音。黒いブーツと赤いヒール。ゆっくりと視線を上げると何処かで見覚えのある銀髪の男と白衣の女。
-ガバッ-
「っ!?ぅぐ!?」