Luce e Concerto di neve【復活】
第9章 Giorni di scuola
「HRでここ数日、痴漢被害があるって言われてただろ?」
そう言えば、そんな事言ってた気がする。だから女の子は一人での登下校は控える様にって言ってたっけ。だけど痴漢なんてそうそう出会す様な類では無いと思うけど。
「ま、アイツなら心配無ぇか」
「ええっ!?何それ!?」
「アイツ強ぇからな」
「え…強いって…リボーン何か知ってるの?」
「………さあな。じゃ、俺は先に帰ってるぞ」
「ちょ、リボーン!」
リボーンの奴、一体何を…
※※※
"雪姫ちゃん"
優しいお婆ちゃんの声。
"御免ね…成人するまで傍に居てあげられなくて"
そんな事無いよ。あたしはお婆ちゃんが居てくれたから全然寂しくなかった。確かにお婆ちゃんは厳しいところもあったけど優しくて暖かくて…とても幸せだったんだ。
"これを…持っていなさい"
力の入らない震えた手で手渡されたお守り袋。ずっとお婆ちゃんが肌身離さず持って居た宝物。
"何かあった時…必ず守ってくれる"
-ぎゅっ-
と首にかけてあるお守り袋を服の上から握り締める。何かって…何。何かあっても守らなくても良いから…お姉ちゃんに会わせてよ。夢でも…夢でもいいから。
※※※
と、あたしの願いを聞き届けてくれる様なモノでも無く。今日もいつも通りの生活をする。朝起きて学校行って授業受けてバイト行って。中学生がバイトなんて普通は駄目だけど、あたしは身内が居ないし祖母が遺してくれた遺産が多少はあっても生活するには働かなきゃいけないから学校からもバイト先からも特別に許可を貰ってる。
『でー?何で獄寺が此処に居るの?良い子は寝る時間だぞ』
「うるせぇ!テメェこそ、こんな時間に何してやがる!?」
『あたしはバイト帰り。ちゃんと許可貰ってる』
「中学生がバイトだとぉ!?」
『身内の居ない独り身は大変なの』
「っ!?」
別に隠してる訳でも無いし、少ないけど知ってる人は知ってる。
『へーえ。可愛いところあるじゃん』
「んな゙っ!?」
俯く獄寺の額を小突いて交差点まで走る。
『じゃあね!明日の学校遅刻したら駄目だよ?また雲雀に怒られるから』
「わーってるよ!!!」
-パタパタ-
「ったく…変な女」