Luce e Concerto di neve【復活】
第8章 Missione critica
しかも数は倍。俺達は五人がかりで始末したが…こっちは舞姫の話からすると部下の数名は負傷した、との事だから舞姫一人で始末した事になる。あの武装集団の倍の数を。被害も殆ど無い。
「何とも無いならそれでいい」
『はあ…?』
未だに不思議そうに首を傾げる舞姫の横を素通りして邸内に入って行くボス。その顔は少し楽しそうだった。
『あ、皆怪我とかは大丈夫?』
「スクアーロが敵の銃弾に掠って怪我してるよ」
「ゔお゙ぉい!マーモン!」
『…怪我して帰って来ないでって言ったのに』
そして盛大に溜息を吐かれた。
※※※
『はい、お終い』
と手当の終わった傷口を叩いてあげると小さく唸る。
「ゔお゙ぉい!他の奴と随分扱いが違ってくれるじゃねぇかァ!!」
『だってかすり傷だもの。傷も残らないし』
喚き散らすスクを無視して器具と薬剤を片付ける。
「負傷した部下達の容態は?」
『命には別状ない』
東西南北、各方角の警備に当たってた人達はもう少し治療が遅ければ危なかったけどアタシに限ってそれは有り得ない事。アタシが診るからには誰一人として死なせない。
「………すまねぇ」
『?』
治療に対して謝罪してるのだろうか。だとしたら気にする事は無い。それがアタシの仕事だから、と口を開こうとしたら先にスクが口を開く。
「テメェは何も言わねぇが…狙いは…お前だったんだろ?」
『!』
「舞姫がヴァリアーに居ると言う情報が漏れてる」
※※※
幹部の皆が遂行した任務は今後ヴァリアーが表立って動くのに重要な任務だったらしい。任務の内容は…人工島で行われたパーティで武装集団が奇襲し、その際にパーティに参加してた者達を救出する事。そしてその武装集団が所持している戦闘兵器の構図を入手する事。更にその武装集団に手を貸したボンゴレの幹部…元ヴァリアーの副隊長を排除する事だった。
『所謂…裏切り』
ボンゴレ独立暗殺部隊ヴァリアーは裏社会じゃ知らない人は居ないくらい有名だった。だけどある時から何があったのかは知らないけどパッタリと名前を聞かなくなった。
だから初めてスクと会った時は大層驚いた。まだヴァリアーが存在してた事に。