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Luce e Concerto di neve【復活】

第6章 Incubo


この大人は何を言ってるのだろう。子供だったあたしには到底理解しえぬ事だった。でもお姉ちゃんは何かを理解してるみたいで大人から奪った拳銃を震えながら構える。



「イイね…君は使えそうだ。だけどそっちは…使えない。要らない」

"駄目っ!"



-パァンッ-



『おねえちゃん!』

「っつー…こいつマジでやりやがった…分かった交渉しよう」

"?"

「妹には手は出さない。約束しよう」

"………"

「その代わり…」



それからの記憶は無い。
起きたら病院でお婆ちゃんが手を握りながら"ごめんね"と何度も謝りながら泣いていた。両親は棺桶に入っていて大好きなお姉ちゃんの姿は無かった。亡くなったと言い聞かされた。

でもあたしは覚えてる。



"雪姫"

"愛してる"



と囁いた泣きそうな声。握ってくれた手の暖かさ。おでこに降って来た優しいキスを。





※※※





ふわりと身体が浮かび上がる。深く冷たい海底から浅く暖かい海面に浮き上がる様な感覚。



"雪姫"



待って、お姉ちゃん。



"愛してる"



あたしを置いて行かないで。



『お姉ちゃん!!!』



-ガバッ-



『………ゆ、め…』



見覚えのある部屋。あたしの部屋。時計を見るとお昼前。随分寝てしまってたようだ。学校が休みで良かった。もう一度寝てしまおうかと思ったけど鼻腔を擽る珈琲の香りに目が覚める。



「ちゃおっス雪姫。随分とお寝坊だな」

『り、リボーン君!?』



何であたしの家に…ってゆーか何処から入ったんだろう。



「窓が開いてたぞ」



あぁ窓から…って不法侵入って言葉知ってるのかな?いや、赤ちゃんだから知らないか。ってゆーかここ五階!!どうやって入ったんだろう。



「随分と魘されていたな」

『そう…なの?』

「ずっと"お姉ちゃん"って唸ってたぞ」

『!!!』



あ…赤ちゃんに心配されるあたししって一体…



「見たところ一人暮らしだが…姉が居るのか?」

『居た、かな』

「………」



ベットの枕元の棚に飾ってる写真立てを手に取るとリボーン君が覗き込む。



『五つしか変わらないのに凄いお姉ちゃんだったの』



家を留守にしがちだった両親に代わってお婆ちゃんとご飯作ってくれたり。
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