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Luce e Concerto di neve【復活】

第5章 Nascondiglio


「………ろ」

『はい?』

「その"さん"ってのと敬語をやめろっつってんだァ!!!」



って怒りながら言われても一応上司だし歳上だし。



「気ぃ使われるとむず痒いんだよォ!!!」

『あ、ソーデスカ…って前!前!前見て運転して!!』





※※※





早朝にアジトを発って車を走らせる事数時間。昼前には昨日、抗争があった港町を抜け現在は山道を走行。
港町の抗争の跡は酷いもので、そこを通った時の舞姫は苦しそうに俯いていた。そしてポツリと呟く。



『どうしてアタシが生きてるって…此処に居たって知られちゃったんだろう』

「………胡蝶が生きてると言う情報が出回ったのは三ヶ月前」

『!』

「裏社会専用のサイトに写真が載せてあった」

『写真?』

「アジトに戻ってから見せる。まぁ…かなりボケた写真だったがなァ!」



あの写真じゃコイツが胡蝶とは分からないくらいに。現に俺も分からなかったしコイツを発見してあの現場を見たのは運が良いとしか言えねぇ。



『そう…あ、そこ左』



案内に従って車を走らせるが山を登っていく度にガタガタと揺れだして道では無くなってくる。一体コイツはどんな所に住んでやがったんだ。



『そこのスペースに車停めて。そこから歩いて行くから』

「ゔぉお゙い!歩きだァ!?どのくらい歩く!?」

『木々を飛び渡って10分、戻りは荷物があるから普通に歩かなきゃだから…30分くらいかしら』

「んだとォ!?」

『仕方無いでしょ。道も無いし狭いし地盤も緩いし』



だぁからこの女はどんな所に住んでやがったんだァ!!!





※※※





-ドサッ…-



と落とされたカゴから野菜がゴロゴロと転がり落ちたのを拾う。



「何処行ってたんだい!?帰って来ないから皆心配してたんだよ?」

『あー…御免なさいミレイユおばあ…!』



ぎゅうっと抱き着かれて言葉が詰まる。



「無事で良かった…街がテロにあったって聞いて心配で心配で…」

『…御免なさい』

「おや?そちらの男性は?」

『えっと…実は新しい就職先が決まって…その就職先の上司と言うか…』

「就職先が決まった!?良かったじゃないか!ずっとこんな辺鄙な村でタダ働きしてたんだ…大変だったろう」



シワシワの手がアタシの頭を撫でる。

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