Luce e Concerto di neve【復活】
第4章 VARIA
医者としての実力はトップだと思ってるくらいだ。
「戦闘力も今日見て申し分無いのも分かった。何よりあのクソボスの早撃ちをあんなに正確に返すとは正直恐れ入ったぜ」
容易に出来る芸当じゃねぇ。相当の鍛錬と実戦経験を積んでるんだろう。
「胡蝶………否、舞姫。テメェがウチに来てくれて良かったと思ってる」
『それを言うのはまだ早いと思いますよ』
「あ゙ん?」
『だってアタシ、まだ自分の持てる力の半分も出してないもの』
そう言って微笑む姿はあどけなさを無くした妖艶な立派な女だった。
※※※
ギシ…と軋む音を響かせながらベットに腰掛ける。割り当てられた部屋は前任の医者が使ってた部屋らしい。明日には新しい部屋を作って家具も新調してくれるらしいので数日はこの部屋で我慢して欲しいとの事。女の子だからと一応ベットカバーやシーツは新しくして綺麗に掃除もしてくれたらしい。
別に気にする事の程でも無いとは思うんだけど、その気遣いが少し擽ったくて暖かい感じがする。
『必要なものか…』
必要なものはこの紙に書いて私に提出してね、とルッスーリアさんから貰った紙を見る。ベットのサイズやデザイン、同じくソファやクローゼット。日用品など事細かに記載出来る様にしてある。
『………?衣類の好み?アクセサリーの好み?』
そんなの必要だろうか?と思いつつ本当に大した要望は無い。あるとすれば…今朝方まで住んでたフランスの家に薬草やら医療器具やら武器やらを取りに行きたいくらい。後は薬草を育てる部屋が欲しいくらいかな。と思ってそこだけ記して後は白紙のまま部屋から出る。
※※※
「えぇっ!?殆ど何も書いてないじゃないの!」
『え…だって本当に要望とか無くて…』
と食卓で激しく突っ込まれる。こう言っちゃなんだけど皆さん自由奔放なのに食事は幹部で一緒に囲むんだなって思うと何か可愛い。
「好きな物とか趣味とか無いのぉ?」
『好きな物………子供?』
一同「ぶふぉっ」
聞かれて答えるとザンザスさん以外のこの場にいる皆が盛大に吹き出す。
『だって子供って可愛くて癒されるじゃないですか…それ以外だとお酒くらいですかね』
「…イケる口か?」
お酒に興味があるのかザンザスさんが鋭い目付きで聞いてくる。