Luce e Concerto di neve【復活】
第4章 VARIA
『医務室は何処ですか?直ぐに薬の調合をします』
「部下に案内させる」
※※※
一同「………」
胡蝶…舞姫が居なくなったザンザスの部屋では幹部達が顔を見合わせる。
「私、冷や汗が止まらないわ…」
「ボスに向かってあの様な口を利くとは大した女だ!妖艶だ!」
「いや…それは大した事じゃねぇ」
問題はボスの銃弾をこうもあっさり的確に跳ね返した事だ、とスクアーロが続けると当人のザンザスは楽しそうに口の端を釣り上げる。
「イイ女だ」
一同「!?」
「戦闘力はテメェ等カス共より確実に上だな」
「戦闘力だけじゃねぇ。医術は無論がだ頭のキレも暗殺術も相当だァ」
「よくスカウト出来たな」
「ツイてた、としか言えねぇよ」
溜息を吐きながら、そう言い残すとスクアーロは部屋から出て行く。それに続く様に他の幹部達も部屋を出て行き残されたザンザスは引出しから書類を一枚、取り出す。
「胡蝶…」
素顔、本名、不明。国籍、不明(東洋人)。
まるで蝶の様にヒラリと現れヒラリと姿を消す事から胡蝶と呼ばれる様になった。チャーロディルナファミリーに所属していたが三年前に壊滅し行方不明。
※※※
『コレにコレを混ぜれば効力のある軟膏…にコレをプラスして身体を暖める効果を付けて…』
ゴリゴリと薬草を煎じたり色々な種類の軟膏を混ぜる様子を伺っていると、ふと手を止めて困った様に首を捻る。
『あーゆータイプの方は絶対薬飲まないな…点滴にするか?いや、それも多分駄目だな…また銃口向けられそう』
「ぶっ」
『!?』
「よく見てんな、ウチのクソボスの事」
『スクアーロさん…』
「前任の医者もそれに悩まされて痺れを切らせて抗議したらボスに殺られたって訳だ」
先程のアタシ様にですか…と溜息を吐く。
『ですが良い医者だったのでは?これだけの種類の薬草や医薬品、医療機材揃ってるんですから』
「それだけじゃ駄目だな。ウチは超精鋭の暗殺部隊だ。良い医者でも実力が無きゃ此処でやって行けねぇ」
『………』
「だからお前をスカウトした。医者としての実力も知識も世界では三本指には入る」
寧ろ俺はコイツがその手でもう無理だと思われる命を数人救ったのを出会った今日で目の当たりにしてる。