Luce e Concerto di neve【復活】
第3章 Farfalla ammaliante
-キィン-
咄嗟にジャケットからメスを取り出して首元に当てがわれたナイフを間一髪の所で止める。
「しししっ♪すげー」
「おいベルやめろ」
「御免なさいねぇウチのベルちゃんが」
「君が胡蝶かい?」
『え…えぇ…』
素顔不明な金髪…ティアラ!?オネエ口調なのにゴツイ…マッチョ…それに深くフードを被った素顔不明な…赤ちゃん…藍色のおしゃぶり………まさか噂のアルコバレーノ!?
「で、何処に向かってるの?」
「港だ。目的は達したから、もう此処に用事はねぇ」
『目的?』
「しし、お姫様をスカウトする事」
『お姫様?』
「君の事だよ、胡蝶」
『ちょっと待って!アタシそんなの一言も…』
-ヒュルルルルルル…-
「大変!大砲が飛んでくるわ!」
「ちっ…脇道じゃ狭くて避けれねぇ!全員車から出ろ!!!」
-ドッカーン-
※※※
大砲により大破したのは車だけではなく建物も瓦礫と貸して瓦礫の山から各々が顔を覗かせる。服は汚れてはいるものの皆無傷の様だ。そしてアタシも一張羅の白衣を大層汚してしまったし巻いてたストールもボロボロ。
「危なかったわぁ…皆生きてるー?」
「まぁ何とか。つーか大砲ってズルくね?」
「そこまでしても胡蝶が欲しいって事だね」
「名医を一人抱えてるだけでマフィアの生存率は高くなるからなぁ!!!」
『!』
あ、この人達は医者としてのアタシを求めてるんだ。仲間の誰かが病気や怪我でもしてるのだろうか?だとするとここまでアタシを助けてくれてるから力になりたいとは少しくらいは思う。
「胡蝶ちゃんモテるわね」
『どうせモテるなら色男や可愛い子供にモテたいですけどね』
一同「………」
『え?何ですか?』
「こんな時なのに面白い子!」
『え、だって…』
本当の事なのに何でこんなに笑われてるんだ。変な人達。
『一つ伺ってもいいですか?』
一同「?」
「居たぞ!胡蝶とヴァリアーだ!」
「胡蝶だけは絶対に逃がすな!」
喧騒が近付いてくる。
『何故、貴方方はアタシを必要としてるんですか?』
「何故って…うーん…ボスを診てもらいたいから?」
「でもウチのボスってちょーっと乱暴だから、他の事にも腕の立つ医者じゃないと死んじゃうから」