第10章 僅かな変化~身体と、時と、心~
負傷兵①「おぉー、今日も天女様が来てくれたぞ!」
負傷兵②「あぁ、俺、いつまでもここにいたい・・・」
負傷兵③「俺、また怪我してこようかな…」
「皆さん、おはようございます!包帯を取り替えに順番に行くので待っていてくださいね!」
歌恋は救護所にいる負傷兵から『天女様』と呼ばれ、歌恋を目当てにわざと怪我をしてくる兵もいたり居なかったり・・・。
「お前達、ふざけた事言ってるなら包帯俺が取り替えるから」
負傷兵①「いっ家康様・・・」
「家康、そんな冷たい事言ったらダメだよ?みんな頑張って戦ってくれてるんだから」
「あぁ・・・やっぱり天女様だ・・・」
負傷兵が目をキラキラさせて歌恋を見つめていた。
「やっぱり俺がやる。」
「わっ、分かった…」
「歌恋は身体拭く手ぬぐいを濡らしてきてくれる?」
「分かった!」
そういって桶に水を汲みに行った。