第2章 500年前の乱世と500年後の出会い
「この女のそばに置くことに決めた。」
「えっ?」
歌恋と秀吉の声が同時に聞こえた。
「ですが、この女の素性は分かっているんですか?もし、また命を、狙われたりでもしたら…」
秀吉と呼ばれた男は歌恋の方を舐めるように見てきた。
(まぁそうなるよね…(笑)疑われるのは仕方ないと思うけど…。)
「俺が決めた事だ。時に、女。」
「は、はい!」
(女って、私しかいないよね…?(笑))
「名を何と申す。」
「お館様!名前も知らない女を傍におこうとしているのですか!」
「まぁまぁ落ち着いてください。秀吉様。」
「おい、女名前を、名乗らないなんてまさか、本当にお館様の命を狙うものじゃないだろうな・・・!」
「えっ?この人の命を狙う?」
そんな風にみられてるの?
というか、秀吉と言うこの男の人が迫ってきて言うに言えない。
名前言うタイミングがなかっただけだし…。そんな風に迫られても…っ。
「申し訳ありません。秀吉様は信長様を思うあまり、美しい天女のような貴女にまで攻め入るようなもの言いになってしまい…」
「私は石田三成といいます。先程から貴女にお話をしているのは豊臣秀吉様で、貴女が救って頂いたのは我等が主君、『織田信長様』です。」
えーっ!?石田三成に豊臣秀吉に織田信長ー?
嘘でしょ…。歴史上の人物位にしか思ってなかった人が目の前にいるなんて…。
とりあえず落ち着いて、名前を言わないと誤解を解いてくれなさそうだし…。
体勢をたてなおして、身なりを整えて、ふと呼吸を落ち着かせて
「私は姫宮 歌恋と申します。名前を名乗るのが遅くなってしまい申し訳ありませんでした。」
「私はあなた方の主君である織田信長様の命を狙うものでも、間者でもありません。」
「信じて貰えないのであれば私の身体を調べて頂いても構いません。剣だの銃だのは持っていませんし、毒物ももちろん持っていません。」
疑われるのは嫌だし、恐らくここは戦国時代。このまま宛もなくさまようのは危険と咄嗟に判断した私は、凛とした声と胸はって?潔白を表明した。