第2章 500年前の乱世と500年後の出会い
「ん…っ。」
白い光に包まれたと思ったら意識を失い、気づいたら知らない天井が見えた。
荷物やカメラは無事。とりあえずよかった!と思った時
ふと外から声が聞こえる。
「……っさま!」
だれか隣りの部屋にいるのだろうか…。
襖を開けてみると火の手に囲まれた中に1人倒れている男性を見つけた。
「大丈夫ですか?起きてー!危ないから逃げなきゃ!」
軽く揺すっても起きる様子はない。
このままでは自分も焼け死ぬと思ったら咄嗟に
―バチンっ―
「起きなさいよ!じゃないと死ぬわよ!」
倒れている男性の頬を思い切り叩き、そして思い切り身体を揺らし大きな声で起こす。
「ん…っ。だれだ、貴様は。」
「誰だって良いでしょ!今はそんなこと言ってる場合じゃないの!早く逃げなきゃ!」
倒れていた男性は周りを見回すと、ふんっと鼻で笑い立ち上がる。
「貴様、俺の命を狙うものか。それとも間者か。」
「バカな事言ってないで早く行きましょう。」
火の手は直ぐそばまで迫っていた。
歌恋は男性の手を取り引っ張り、どうにか火の手から逃げることができた。
途中、どこからともなく人が現れ「信長覚悟ー!」と剣を向けてくるがなんなくかわし、外へ出る出口付近へと降りてきた。
「お館様!良くぞご無事で!」
「信長様、ご無事で何よりです。」
着物をきた男性二人が駆け寄ってきた。
「秀吉、三成」
その声を聞き、二人は頭を下げる。
(この人偉い人なんだろうな…この2人以外にも周りの人たちがこの人が出てきた瞬間嬉しそうだったし…)
「所でお館様。この女はいかに?」
「あぁ、俺の命を救った女だ。俺に幸運を呼ぶ女だ、これからこの女をそばに置くことに決めた。」