第2章 500年前の乱世と500年後の出会い
「姫宮…ってお前、どこの武家の娘だ!?」
「苗字を与えられてるのはごく一部なのに」
秀吉が驚いた顔で今度はこちらをみつめる。
「信じて貰えないかも知れませんが、私は500年後の世界からきたものです。本能寺跡に居たら突然白い光に包まれて目が覚めたら信長様の隣りの部屋にいました。」
何故かわからないが、歌恋は真実を話した方がいいだろうと思い、この話をはじめた。
話し始めた時は何を言ってるのか目が点になっていた3人だが、信長は話が終わるとニヤと口角を挙げて口を開いた。
「ますます気に入ったぞ!歌恋。お前は今日から俺のものだ。異論は認めん。」
「三成。歌恋に着るものと履物、身の回りの必要なものを与えてやるように。」
「はっ。かしこまりました。」
「秀吉、歌恋は表向きは織田家ゆかりの姫としておけ。」
「分かりました。」
(とりあえず、路頭に迷うことはなさそうだからよかった…。)
ふと気を抜いた瞬間足に痛みが走った。
「痛っ」
よく見ると右足のふくらはぎ辺りに刀で受けた傷らしきものがあり、手にも傷があり、血がにじみ出ていた。
「これはこれはいけませんね。織田家ゆかりの姫に傷があっては…」
「すぐ、家康に見てもらえ。恐らくもうそろそろくるだろう。」
「かしこまりました。」
そうこうしてるうちに、「信長様、ご無事で!」
辛子色の着物を着た男性と、どこからともなく現れた狐のようななんともミステリアスな雰囲気を醸し出してる男性と、片方の目に眼帯?をした男性が駆け寄ってきた。