第7章 あなたの手を離さない~② ※R18
快感へと持っていかれ、何度も絶頂を味わった歌恋はそのまま意識を手放した。
「少し啼かせ過ぎたか・・・」
そう言って愛おしい人を見つめる信長は目は“第六天魔王”とは言われてるのがまるで嘘のように優しく、温かなな眼差しだった。
そのままそっと隣に横になり布団を掛け、歌恋の温もりを感じながら
(不思議だ・・・。隣にいるだけだが自然と心地よい眠さが来るなんて・・・。)
そうつぶやききるかきらないかのうちに信長も眠りについた。
- - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -
翌早朝の事。
秀吉がいつものようにやってくる。
「御館様お目覚めでございますか。」
いつもであればすぐに返事が来るものの、今日は返事が無い。
「御館様秀吉にございます。」
返事が無く心配になった秀吉は襖をあけ信長の様子を見に行く。
「っ!」
秀吉は布団で歌恋と信長が穏やかな顔で眠ってる姿を見て一瞬言葉を失う。
そのまま顔を赤らめて「失礼しました…!」と足早に逃げるように出ていった。
そして秀吉が出ていって少しした後、信長が目を覚ます。
「秀吉め・・・見に来おったか…。」
(まぁいいだろう。)
そのうちまた来るだろうと思い、着替えを済ませる。
「お舘様お目覚めですか?」
「はいれ。」
「はっ。」
「もうそろそろ朝餉の用意が出来ますが、歌恋はどうしますか…」
聞き辛いであろうことを、敢えて秀吉は聞いてみた。
「昨日は無理をさせた。本人が目を覚ますまで寝かせてやれ」
「はっ。かしこまりました。」
「それと、秀吉。」
「はい。」
「今日から歌恋はここで寝ることにした。必要なものは隣の部屋にでも用意しておけ。」
「分かりました。」
「ずいぶん素直ではないか。」
「いえ・・・そんなことは・・・。」
タジタジになってどうしようかと慌てる秀吉を見て少し意地悪をした信長の顔はニヤリと笑っていた。
もちろん歌恋はこんなやり取りをしてるとは知らず、夢の中だった。