第7章 あなたの手を離さない~② ※R18
安土城では武将達が“かれー”作りに悪戦苦闘?孤軍奮闘?している時信長達は…
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夕日が眩しいくらいの中、二人で安土城に向かう道をゆっくりあるいていた。
二人の時間を少しでも長くとりたいと自然と歩幅がゆっくりになっていた。
「信長様?」
「なんだ?」
「あの…て…手を…」
「手がどうした?」
「まさか具合が悪くなったのではないだろうな?」
「いえ…そうじゃなくて…」
「ならなんだ。」
「あの…手を……手を繋いで貰えませんか?」
「っ。//」
信長が黙り込む。
「嫌なら大丈夫です!…1人で歩きますから!」
「嫌だとは言っていないだろう…」
「えっ?」
信長の頬が少し赤くなり、ぎこちなく歌恋の方の手をさしだす。
「こうすればよいか?」
「…//はぃ。ありがとうございます!」
歌恋の顔が一気にぱっと明るくなり、はにかみ差し出された手をぎゅっと繋いだ。
「信長様の手…おっきくてあったかいですね…。」
嬉しそうに繋いでいる手を見つめながら呟いた。
「そうか?俺はこの手で何人も斬って来た。あったかいとは何を呆けた事を…。」
「信長様は優しい人ですよ。私が熱で倒れた時、政務の合間をぬっては私の様子を見に来て下さって話しかけて下さったと秀吉さんに聞きました。」
「あの猿め…余計な事を…」
「それだけじゃない、私の看病で家康さんも秀吉さんも疲れてるだろうからって夜は出来るだけ休ませてあげていたって。」
「それは…」
「信長様だって忙しいのに私の事を案じて心配りをしてくれました。」
「だから、信長様は冷たい人なんかじゃないです。」
「歌恋…」
「はい。」
「んっ?…んふ…っ。」
「お前は俺を煽るのが得意なようだな…」
繋いでいない方の手で顎をすくい艶めいた目で歌恋を見つめ唇を塞いだ。