第7章 あなたの手を離さない~② ※R18
光秀が三成の大勢を立て直し、政宗に頼まれていたものを渡す
「政宗、頼まれていたものを持ってきてやったぞ。」
「みーつーひーでー!お前今まで一月以上もどこに行ってた!」
急に秀吉が光秀に取っ組み始める。
「秀吉様!落ち着いてください」
大勢を立て直してもらい籠を置いた三成が止めに入る。
「中々しっぽを見せない奴を追っていたら中々安土に帰ってこれなかっただけだ。」
「まぁまぁ、そう怒るなよ?」
「光秀には前から手に入れて貰いたい物があって、それをようやく手に入れたっていうから、今日戻ってきてもらったんだ。」
怒りが収まらない秀吉に苦笑いしながらも状況を説明する。
「ほれ、中々の至難だったぞ。さすがの御館様でも見たことないものだったからな。」
「なんだ、この黄色いような不思議色の粉は?」
光秀が政宗に見せた粉を見て秀吉が聞いた。
「なんでもかれーというものができる粉らしい。」
「かれー?」三成、家康が声を揃って首を傾げる。
「あぁ。歌恋の時代には家庭の料理の一つらしく、南蛮由来の香辛料とやらを混ぜて作ってるらしい。」
「へぇ~。なんか薬にも使いそうな感じですね。」
「とりあえずこれを野菜を煮込んだ中に入れて混ぜるとできるらしい。」
「それは歌恋様が教えて下さったのですか?」
三成が興味深そうに聞いてきた。
「あぁ。作り方はあいつに聞いたから、味はこれで合ってるかは分からないが、まっ俺が作るんだから間違いないだろ。」
「俺たちでしょ」
家康がすかさず突っ込む。
女中にはお酒や他のものの準備を頼み、かれーは武将達だけで作ることになり、普段はやらない家康達も駆り出されていた。