第6章 あなたの手を離さない~信長√
翌朝。
「家康はおるか。」
信長が歌恋の部屋の襖を開けた。
「何ですか?」
家康が『めんどくさい』という表情を思い切り信長にむける。
「歌恋を城下に連れていく。もう熱は下がって食事も食べれるようになった。どのくらいなら大丈夫だ」
「えっ?信長様…何で急に城下に何て…」
「最近どこも出かけてないだろう。ならば連れていってやる。構わないな。」
「まぁそんなに長い時間じゃ無ければいいですよ。」
「その代わり、水分をこまめに取ることと、適度に休憩を入れてくださいね?」
まだ治ったばかりで、無理はさせられないですからと言うか言わないかで信長の声が重なる。
「陽が高くなる前にでかけるぞ。支度をしておけ。」
「あっ…はい。分かりました…。」
歌恋は驚き家康に聞いてみた。
「ねぇ、家康さん…。信長様どうしたんだろう?」
「さぁね。早く支度しないと行けないんじゃないの?」
「えっあっそうだね!」
驚いた顔をしたと思ったらうれしそうな顔をしてる歌恋を見て、『やっぱりね…』と歌恋に聞こえるか聞こえないかの声で呟いた。