第4章 動き始めた気持ち、揺れる恋心~
「ふんっ。可愛いやつめ。」
信長は逃げるように出ていった歌恋を目で追いながら呟いた。
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それから囲碁の相手をする訳でもなく、信長は歌恋を時より呼び出すようになった。
500年後の世界のこと。
歌恋のこと。
京都の祖父母のことなど、他愛も無い話をしながら過ごすことが信長にとって心地よいものだった。
「お前の声は聞いていて心地よい。もっと聞かせろ。」
「お前のいた世界のこと。何でも良いから教えろ。」
歌恋はまるで子どもに話すように、自分がいた世界のことを信長に話した。