第26章 信長様生誕祭~指令・サプライズパーティーを遂行せよ!~
そして歌恋の着替えが終わり、安土城も陽が傾いた頃、信長達が城へと戻って来た。
「おかえりなさいませ、信長様。」
「あぁ、今戻った。」
いつものほんわかした雰囲気で出迎えたのは三成だった。
「歌恋様より、信長様が戻り次第お召し物の着替えを佐助殿と一緒に手伝うように言われてます。」
三成いわく、佐助は部屋で待機してるとのこと。
一つ一つ事を指示され信長は初めは面白くなさそうだったが、だんだんとその事を愉しむかのように「次はなんだ。」と催促するように…
佐助「信長様、お着替えが終わりました。やはりよく似合ってます!!あぁーカメラがあれば・・・!」
佐助なりにかなり興奮した様子で信長の着替えた姿を舐め回すように見つめ、人差し指と親指で両手を使い、現代でいうカメラのポーズ?を作りながらあちこちとその指で作られた隙間から片目を瞑り見ていた。
三成「佐助殿、その『かめら?』と言うものは何でしょう?」
一人興奮する佐助を現実に引き戻すかのように、三成が『ほぇ?』という顔で尋ねた。
佐助「あぁ、すいません・・・。カメラとは、現代の物で、ほら歌恋さんも確か持ってたあれです!」
三成「そうなのですね!今度その『かめら』というものを詳しく教えてください!」
珍しく?三成と佐助が盛り上がってるのを見て、まるでわが子の成長を見守る父親のような優しい表情でそのやり取りを見ていた信長。
(ほぉ、三成がこのようなイキイキとした表情をするのも久しぶりだな。猿も少しは安心するだろう。)
佐助「おっと、そろそろ俺達も衣装チェンジしなくては行けないので、信長様はここでしばらく待っていてください。」
三成「衣装ちぇんじ・・・?ですか?」
佐助「三成さん、着替えの事ですよ!」
三成「あぁ、例のあれに・・・ヴッ!!?」
三成が言いかけた所を慌てて佐助が口を手で塞いで、言わせないようにしそのまま部屋を後にした。