第25章 いつもの日常と不気味な影~愛する人は側に~
「なぁ、政宗。」
「なんだ、秀吉。」
「御館様が第六天魔王から普通の人間になったよな・・・」
「そうだな。歌恋が来てから安土城の空気も変わった。」
二人は特に秀吉は信長の変わりように喜び半分、戸惑い半分でいた。
千姫の事が片付いたら信長は引退をする事、家督を秀吉に託す事になっていた。
理由は『愛する者のそばに居たい』
なんとも人間臭い理由だった。
それが信長にとってはどれだけ大変な事か分かっていた為、そんな信長の変わりようにここ数年は驚かされてばかりだった。
そんな穏やかな安土城にその日の夜一気に慌ただしくなった。
「こら、天音!ちゃんと浴衣を着なさい!」
天音「やだー!暑いんだもん!」
結人「父上、やっぱり今日も父上に勝てなかった・・・」
信長「まだまだ負ける父では無い。」
舞桜「お母様、終わったら髪の毛やって!」
毎日湯浴みの後は戦争のようだった。
イタズラ盛りの年頃と性格故か…それとも反抗期というのか・・・とにかく一筋縄でいかない。
それに比べ大人しい結人と、1人である程度できるようになった年頃の舞桜、三人三様で全然違うペースで事が進む。
歌恋のお腹が出てきてからは結人は信長と入ることになり、湯浴みの度にどちらが、長く潜って居られるか競走してるとか・・・。
ようやく落ち着き、双子は隣の部屋で天使の寝顔で眠り、舞桜も少し離れた自分の部屋へと行った頃・・・