第25章 いつもの日常と不気味な影~愛する人は側に~
それからしばらくし、千姫の姉の事を探らせる為にと春日山に行っていた三成が佐助と共に安土城へと戻ってきた。
「ほう、ではあの千姫の姉は春日山城下で大きな宿屋の女将を・・・」
「はい。見た目は千姫によく似ていますが、本当に姉妹かと思う程に性格は逆でした。」
信長に報告にしに来た三成が淡々と話し、それに続き佐助が話し始めた。
「春日山城下ではかなり前からその宿屋はあり、千姫の姉『礼姫(あやひめ)』は15年ほど前に18歳でその宿屋に嫁いできたそうです。」
千姫と礼姫は年の差12歳。
佐助が幸村と聞いた話だと千姫と礼姫は異母兄弟らしく、千姫は後妻との間に出来た子どもで、千姫が小さい時に嫁いだ為そこまで関わりは無かったとのこと。
宿屋も調べたが千姫が潜伏してる様子は無く、今は引き続き幸村が家臣と一緒に見張っているとのことだった。