第1章 久しぶりの京都とワームホールの出現。
(なんとなく勢いで来ちゃった…)
通行人のカップルの話を聞いて、何故か本能寺跡に行くことにした。本能寺跡は最近違うところが本当の場所だったとされて、新しい石碑建てられたくらいで特にこれといって何もなかった。
「なんだ~紫陽花キレイだって聞いたから来たのに、ほんのちょっとじゃん」
「本当だ~、てか、こんだけしか無いんだー、なんか寂しいね。」
さっき通りすがったカップル達もちょうど来ていた。
(確かに…歴史的にはかなりの出来事で扱われているけど、石碑一つだけだもんね…)
その石碑の前で、何かを思い詰めるような眼差しで見つめている男性がいた。
(どうしたんだろ?あの人、この石碑に何か思い出でもあるのかな?)
何故かわからないが、歌恋はその男性と石碑をカメラにおさめていた。
―ピピ、カシャ―
男性は写真を撮られてるのも気づかない様子
歌恋は数枚写真に撮り、二条城跡を辿りその日は一旦家に帰った。
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その日の夜何故か本能寺跡で見かけたあの男性が気になった。
なぜあそこまであの石碑を見つめていたんだろう…。
まるで織田信長とかに会ったことあるようなそんな風に見えた。
夜、祖父母と食事をしながらその出来事を話した。
「信長はあそこで自害したとされているが、実際はそうではなかったという話もあるんだよ。」
歌恋の祖父が話し始めた。
「えっ?おじい様どういうこと?」
「あぁ、歴史的には信長が明智光秀に裏切られて自害したことになっているが、信長の研究を長年続けている私の友人達は、信長はあそこで殺されたんだと話しているんだよ。」
「へぇー、もし、そうだったら歴史がひっくり返るすごいことになるね。」
もしそれが事実ならか…
(明日また行ってみようかな…丁度あの石碑近くで打ち合わせあるし)