第23章 安土城の夏休み~in温泉
昼過ぎに着いたため、遅い昼を宿で出してもらい夜は大広間で秀吉の妻の葉月と、子どもも含め12名の大所帯の宴が始まった。
子ども達は広間の隅の方でご飯を食べ終わると遊び始めいつの間にか4人とも眠っていた。
「ふふ、子ども達あっという間に寝ちゃった・・・」
「本当ですね、みんな気持ちよさそうに寝て、子どもの顔を見てると安穏平和な世が続いて欲しいと思います・・・」
「葉月さん・・・。わかります。それ。」
「えっ?」
「私も信長様がその世界を作るために必死に戦って下さってるのは分かっているんです。戦に行く時は本当に『今度も無事に帰ってきて・・・』と願って送り出すんです。でも、子ども達が居るから笑顔でいようと思えるんです…信長様が私にくれた大事な宝物を守るためにも。」
「歌恋様はお強いですね。うちの人はお世話好きで自分を顧みないから心配で・・・」
「そうですよね・・・。いつも誰かのお世話やいて自分後回しだからなぁ。」
「何そんな辛気臭い顔してるんだ?子ども達も寝たんだからゆっくり飲め。」
「政宗?!びっくりしたぁ!」
「何の話ししてたんだ?」
「教えてあげなぁい!女同士の秘密!ねっ!葉月さん!」
「はいっ!」
「歌恋、信長様が呼んでるぞ。隣に行ってお酌してこい。」
「秀吉さん!」
「何そんな狐につままれたような顔してるんだ?」
「えっ?そお・・・かな?たまには、葉月さんの事も甘やかしてあげてね!」
信長「歌恋、何をしている。早くこっちへ来い。」
上座で肘掛けにもたれ掛かりながら1人お酒を呑む信長が歌恋を呼び、返事をしながら歌恋は信長の元へ向かった。