第22章 歴史は繋がれていく~新しい生命と日常~
本格的な犯人探しが始まって一月。
新年の宴は例年通り行われたが、歌恋は部屋で過ごしていた。
「はぁ・・・。今頃信長様達は美味しいご飯食べたりしてるのかな・・・。」
子ども達も参加しているため、部屋には一人。
まだ起き上がる事が出来ない為、窓から見える景色を見ながら一人寂しく過ごしていた…
『もう少ししたら起き上がれるようになるから、それまでは無理矢理起きたらダメだからね。』
(早く起気上がれるようになりたくて無理して家康に怒られたしなぁ。)
「歌恋起きてる?」
(その声は・・・)
「家康?起きてるよ。」
サーっと襖を開けて家康が入ってきた。
「薬の時間、それと政宗さんがこれ。」
「これは?」
「今日の宴の献立をあんたの為にって作り替えてくれた。」
家康が持ってきたお膳には魚や煮物が食べやすいように小さくされていて、ご飯はまだ受け付けない為、お粥を食べやすいように味を付けてくれていた。
「ありがとう・・・。」
「時期に信長様も戻ってくると思うから、それ食べて待ってたら。」
(俺が行くって言った時本当は信長様もこようとしてたけど、抜け出せ無いし、政宗さんも料理の方が忙しいから来れないし。)
本当は歌恋が寂しがってるんじゃないかと気になり、抜け出してきたのが半分家康の本音だった。
「起きれる?」
「うん・・・。」
背中に手を宛て支えながら歌恋の身体を起こし、背中に布団を丸めたものを充てた。