第22章 歴史は繋がれていく~新しい生命と日常~
花恋が寝てる布団へ信長の大きな羽織りを掛け、寝てる隣に入り、腕を伸ばし身体を出来るだけくっ付けた。
それからどれ位の時間が経っただろうか・・・、信長がふと目を覚ました。一瞬生きているか不安に駆られ、歌恋の身体を触る。
「まだ生きている・・・」
布団から起き上がり、水を飲ませる準備をしていると
「うぅ・・・・」
「歌恋?」
歌恋が苦しげな声をだす。
「しっかりするんだ!歌恋!」
「信長様、どうしたんですか?」
家康が信長の声を聞いて慌てて入ってきた。
「歌恋が一瞬声を出した…意識が戻って来ているのか?」
「そのまま声を掛け続けてください。」家康は歌恋の表情を見て“もしかしたら・・・”と思い信長にそう伝えた。
「歌恋!!!起きるんだ!いつまで寝てる気だ・・・、」
「歌恋起きなよ。」
信長と家康で声を掛けるが、目を開ける様子は無い・・・。
人払いの為に見張りでいた秀吉や光秀、政宗、三成も二人の声が聞こえ、それぞれも部屋に入ってきた。
秀吉「どうしたんだ?家康!」
家康「歌恋が反応示したんですけど、目を覚まさないんです。」
三成、政宗、光秀、秀吉は一斉に声を揃えて言った。
その傍らでは信長が必死に声をかけ続ける。
「歌恋...早く目を覚ませ。俺よりも先に死ぬなど許さんぞ!」
秀吉「そうだぞ!子ども達も待ってる。お前は三人の母親だろ?!」
政宗「おい!起きろ!上手い飯作ってやったんだ。冷めないうちにとっとと食べろ!歌恋!」
光秀「また南蛮から面白いものを取り寄せてやる。そしたらまた未来の話を聞かせろ。」
三成「皆さん心配しておられます。もちろん私も・・・。新しい紅をまた見に行きましょう。」
大の男が皆涙や鼻水でぐしょぐしょになりながら歌恋に声をかけ続けた。