第22章 歴史は繋がれていく~新しい生命と日常~
家康は不機嫌そうな口調で言った。書庫の件は千姫がやったと思ってる、それを知っているからだ。
「そうかな~」といってとぼけるも新しい紅をさして、可愛い?と聞いてくる姿を見て、武将達はそれ以上言わなかった。
それから一月後、無事に双子の七五三のお祝いも終わり、年の瀬に近い頃、千姫に貰った紅もだいぶ底をつき始めていた。
(もうすぐ千姫から貰った紅が無くなりそう・・・、新しいものを買いに行けたらいいな…)
城下へ行くのも子どもが居たらすぐに行くことも出来ず、もうすぐ正月。晴れ着に合う紅が欲しいと思っていた。
(信長様はしばらく政務で忙しいって秀吉さん言ってたし・・・、とりあえず聞いてみようかな…。)
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秀吉「城下へ行きたい?」
「うん。紅が無くなりそうだし、新しい反物が入ったって聞いたから見に行きたくて・・・」
秀吉「んー、俺がついて行ってやりたいがこれから客が来るから、城を抜けられないんだ・・・」
「明るい昼間なら大丈夫だから、ねっ?」
秀吉は根負けし明日の昼間、三成と一緒に行くならと許可をだした。
「ありがとう!秀吉さん!」
ぱっと顔が明るくなり、周りに花が咲いたように喜び、秀吉も可愛い妹の喜ぶ顔を見れて嬉しそうにしていた。