第22章 歴史は繋がれていく~新しい生命と日常~
それから歌恋には秀吉と三成が側に着くようになり、子ども達も出来るだけ側にいさせるようにした。
ある日、信長は数日間政務で城を空けることになり、秀吉が信長の代わりに出来るだけ側にいるようにした。
「でも秀吉さん、城下で悪さをしている人がいるのは分かったけど城の中でもこんなにしなくても・・・。」
「お前の事を案じて信長様がそう仰ったんだ。しばらく辛抱してくれ。」
「うん。」
歌恋は腑に落ちないと思いながらもとりあえず秀吉と天主へと向かった。
「お館様が今日は居ないからすぐに寝るんだぞ」
「もうすぐそうやって子ども扱いするんだから!」
「あっ、お母様!秀吉ー!」
襖明けると三成が子ども達に絵巻を読み聞かせていた。
「お利口にしてまってた?」
「うん!三成にお話読んでもらってたの!」
舞桜が駆け寄り目を輝かせて話をしていた。
「そう、よかったわね!」
天音「みつなりー!もっと!」
結人「みつなりー!これは?」
双子は三成の膝の上に座り絵巻をもっと読んでほしいとせがんでいた。
三成「はい、分かりました。では、この話しが終わるまで読んだら今日はおしまいですよ。」
舞桜「私もいれてー!」
走って三成の背に抱きつき後ろから絵巻を見ていた。
「ふふ、なんか年の離れたお兄ちゃん見たい、三成くん。」
秀吉「三成も満更でもない様子だしな。」
「私ね、こうやって何でもない日常のこの場面がとってもすきなの。すごく幸せなだなぁって。」
「それにね。500年後の未来から来た私をこんなにも良くしてくれて、信長様に愛されて、子どもも出来てこうやってみんなから愛されて本当にここへタイムスリップしてきてよかったなぁ、って思ってるんだ!」
「歌恋・・・。」
「はい、これでこのお話はおしまいですよ。」
子ども達「えーもっと!」
秀吉「こらこら、三成とここまでと約束したんだろ?また、明日読んでもらえ。」
子ども達「はぁーい、」
「ありがとうね。三成くん。秀吉さん」
「俺達は外にいる。なんかあれば呼んでくれ」
「うん、分かった。おやすみなさい。」
「あぁ、おやすみ。」
「おやすみなさいませ、歌恋様。」
何事も無く信長の居ない一日が、終わろうとしていた。