第22章 歴史は繋がれていく~新しい生命と日常~
千姫の部屋を出た後、歌恋は少し時間があるからと書庫へ行った。
書庫へ入り、探し物をしていると・・
(あれ・・・?なんか目眩がしてきた…)
ガタッー
戸にもたれかかり意識を失った。
しばらくすると妙が子ども達を連れて戻ってきた。
天主へと戻るといるべき人の姿がなく、いつもの着物は衣桁にかけられ、着替えたことが伺えた。
どこかに出掛けたのかも知れないと思い、夕餉の時間まで待つも戻らず・・・。
妙な胸騒ぎがして会議中の信長の耳に入れた。
「なんだと?!歌恋が居ないだと?」
「はい・・・」
お針子の部屋、歌恋か以前使っていた部屋、お茶屋、音羽屋、思い当たるところは探したが見当たらないと・・・。
「会議は中止だ!歌恋を探せ!」
信長の一声で会議は中断され、武将達も城の中を探し始めた。
「歌恋!どこにいる?」
歌恋が居ないことにまさかなにか浪人などに絡まれたのでは無いか、池や川に落ちては居ないか、不安が募るー
(歌恋何をしている。どこにいるんだ!)
あちらこちらの部屋を片っ端から探すと三成の声が聞こえた。
「歌恋様!、歌恋様しっかりなさってください!」
「歌恋が見つかったのか?」
秀吉も駆け寄るが歌恋がぐったりしてるのを見てタダらならぬ雰囲気になった。
とりあえず歌恋を天主へと連れていき、家康が診察をした。
「家康・・・、どうなんだ?」
「何らかの原因であの書庫で意識を失ってこの暑さで脱水症状起こしてます。」
歌恋が見つかったのは書庫。普段は戸が閉まっているが、ここ数日の暑さもあり、戸を開けておいたはずの部屋が閉まっているのに三成が気づいたのだ。
「何らかの原因とはまさか・・・」
「はい、考えたくないですが、薬などで眠らされたりなどしなければ…」
「そうか…」
信長はなにか思い当たる節があるようだったが、特にそれ以上は言わなかった…
信長は一晩中手を握りしめ側についていた。
次の日の朝ー
「んっ・・・・・・、」
「歌恋?!」
「信長・・・様?」