第3章 武将達のそれぞれの思い…と久しぶりの再会
〈家康視点〉
歌恋が傷を負い、手当てをしてから何か俺の心にざわめきたつものがあった。
たかが刀傷。
でもなにか違った。
刀傷を負ったのは武将でもなく、女。
初めてあったあの日に手当てした後で向けられた笑顔。
歌恋の周りだけ明るく光がさしたように、いや周りだけ明るくなったように見えた。
それから心の中に歌恋のあの笑顔が住み着いた。
俺の天邪鬼の心を揺さぶって仕方ない。
多分、と言うかもうすぐ来る。
足音を立てないように来るけど、俺にはその音すらもハッキリと聞こえてくる。
なんか楽しみにしてる俺もいてなんか変な感じ。
500年後からきたとかいうのはどうでも良い。
どっかのお姫様じゃなくても関係ない。
あの、あの笑顔を見ていれば俺は満足だった。
たった3日なのに。なんか世界が変わるってこういうことなんだろうな…となんだかハッキリとしていた。