第22章 歴史は繋がれていく~新しい生命と日常~
城下を信長と2人で歩くのは久しぶり。
そっと信長の裾にもたれ掛かり声を掛ける。
「信長様・・・?何か考え事しているんじゃないですか?」
「何故そう思う。」
信長はまっすぐ前を見て歩き続ける。
「信長様がこういう時はいつもそうですから・・・」
「お前はいつから俺の心を読み取れるようになった。」
「ふふふ、だって、信長様の妻ですから。」
歌恋が笑いながら信長の腕に更に絡みつく。
「お前が心配する事では無い。今日は俺が子ども達と湯浴みをする。」
「はい。でも双子を一緒に入れるの大変ですよ?」
「構わん。」
「じゃ、早く帰って教えてあげないと。きっと喜びますよ!」
「そうだな。」
歌恋は信長の些細な異変を感じ取っていた。
足を止めて信長の顔を見つめて一言だけ
「信長様・・・愛しています・・・」
「どうした急に。」
「ちょっと言いたくなっただけです。」
「わっ!?」
信長が急に歌恋の方へ向き抱きしめた。
「俺も愛している。歌恋」
耳元でそっと囁いた…
「はい////」
「今日は覚悟しておけ。お前をたっぷり可愛がってやる…」
「はい・・・・・・。」
歌恋は信長に敢えて何があったのか聞くこともなく、ただ、信長の気持ちを受け止めた。
(いつか、教えてくれるといいな・・・。私で受け止められるといいな・・・。)
そんな事を思いながら信長の胸に抱きとめられしばらく二人の世界に浸った…