第22章 歴史は繋がれていく~新しい生命と日常~
「帰ってきた早々なんですか?」
家康が一瞬で不機嫌な表情に変わった。
「歌恋が少し痩せたように見受ける。あまり体調は良くないのか。」
信長が家康に攻め入るように聞く。
「まぁ、前回よりも悪阻が重いのは確かですけど。その時その時によって変わるので舞桜の時と同じとは限りませんよ。」
家康が話を続けた。
「あと、悪阻が重いみたいで、あまり食事が取れてないみたいなんで、食べられるものでいいから食べるようにしないとお産に耐えられないから。」
そう言った後に薬草を家康が調合して作ったものを出した。
「これ、舞桜の時に向こうで貰った薬を俺なりに、こっちであるもので調合したから」
「ありがとう。家康。」
歌恋は力無い笑顔でお礼を言った。
「あと、今回は当分の間は歌恋を抱くのは止めてくださいね。体調落ち着くまでは特にですよ。」
そう言って天主を後にした・・・。
「うっ。」
「ふふ、家康にも信長様の考えてること分かっちゃうんですね…。」
「まぁ、よい。体調が落ち着いたらまたたっぷり可愛がってやる。」
「もう。信長様ったら!」
「お前はそのくらいの調子でいてくれればよい。お前が元気が無いのは俺も元気が出ん。」
「はい。」
「舞桜がお姉ちゃんになるんですね…、信長様は有言実行で凄いですね。」
「当たり前だ。天下布武を成し遂げる男だ。次はきっと男だ。」
「どうですかね…。男の子だったら信長様に似たら凄いことになりそう。」
二人はしばし幸せな時間を過ごしていた。