第22章 歴史は繋がれていく~新しい生命と日常~
月日は過ぎ、秋の終わり頃。
あの夏の夜から信長はまた慌ただしい日々を過ごしていた。
きっかけは領土内で起きたちょっとした小競り合い。
それをおさめる為にと光秀、秀吉、家康が手を尽くしていた。
その影で、信長の生命を狙っている者がいるという話があり、完全に小競り合いが収めるため忙しくし城をしばらく開けていた。
ようやく城へと戻ってきたというのに愛する妻は出迎えてくれず・・・、信長は少し不安になる。
また体調を崩しているのでは無いか・・・、それとも娘になにかあったのか・・・、
秀吉が少し遅れて出迎えた。
「お帰りなさいませ、御館様」
「あぁ。留守の間変わったことは無かったか。」
信長が秀吉に聞くと秀吉が一瞬言うのをためらっていた。
「なんだ、俺に言えない事でもあったのか!」
「いえ・・・、そのようなことでは・・・」
「なら言えばよいではないか。言わないのなら斬るぞ。」
秀吉は信長に斬られたく無いからとしぶしぶ言った。
「歌恋が身ごもりました。先日戻った家康に診てもらい分かりました。」
「真か!なぜそれを早く言わぬのだ!」
信長は一目散に天主に向かった。