第3章 武将達のそれぞれの思い…と久しぶりの再会
「この煮物味が染みてて美味しい!」
「朝早くから作ったの?」
「そうか、うまいか。この煮物は昨日のうちに弱火でじっくり味を染み込ませておいた。朝早くから作っても味は染みないからな。」
「すごいねー!料理が上手で、更に強いなんて、きっとモテるんだろうなぁ~」
「あぁ政宗は寄ってくる女は数多く居るが、なかなか本気にならず弄んでるヤツだ」
「そういう光秀さんだって同じようなものでしょ」
家康がすぐさま横槍を入れた。
「みんな強い上に更に秀でるものが、あるなんてすごいなぁー!」
「時に歌恋、お前何か得意なものはないのか。」
信長が尋ねてきた。
「得意かどうかはあれですけど、裁縫は祖母に教わっていたし、仕事でも多少やっていましたよ。」
「あっ、ほら、信長様を助けた時に着ていたワンピースは私が、作ったものですよ。」
「わんぴーすとはなんだ。」
「あっそうでしたね。」
「ワンピースっていうのは着物みたいに帯とかで止めて着るものじゃなくて、一枚の布を袋状にして作ったものですよ。」
「ほう。500年後の世界ではそんなものもあるのか。ためになったぞ」
「それなら後でお針子達に伝えおくから何か作って持ってこい。」
「えっ?あっ、はい。分かりました。」
(急になんか作れって言われても生地もないし、道具も持ってないのに…)
「必要なものは揃えておく。女中に伝えておけ。」
「えっ?何で私の思ってることが分かったんですか?」
「お前の顔を見ていれば分かる。」
「そうですか…。」
歌恋は一気に恥ずかしくなり赤くなった頬を手で隠して俯いた。