第3章 武将達のそれぞれの思い…と久しぶりの再会
〈秀吉視点〉
三成が歌恋のお世話係を志願してきたことに若干焦りを感じた。
歌恋が来てまだ3日。たかが3日だと言うのに、あいつには人を惹き寄せる何かを持っているようだ。
礼儀作法をきちんと出来るどこかの姫にも思える立ち居振る舞い。
その反面、女らしく年相応に光秀がからかえば顔を真っ赤にして怒ったり、家康に手当てをしてもらえば天女のような笑顔を見せる。
政宗が作った料理に関心し、心から美味しそうに食べるあどけなさも残る横顔。
三成とは大分話すようになったらしく、少しずつ心を許しているように見える。
そして、主君信長様に対しては恩を忘れず、ことある事に礼を申し、天女といっても過言ではない姿を見せる。
まだ3日だぞ…。
いくら500年後の世界からきたとは言え、素性が知れないと疑ってた相手に対してこうも見方が変わるものなのか…。
この女は一体何なんだ…。
俺にこんな思いをさせるなんて…。
この気持ちはまだそっとしまっておこう。
俺はお館様の命を救った大切な女として、精一杯面倒見るとするか。