第19章 番外編~秀吉の恋模様~
「葉月にございます。どうぞお見知り置きを。」
それが秀吉と葉月の出会いだった。
吉右衛門によると、お店の切り盛りしていた妻が今年初めに流行り病にかかり亡くなり、葉月はその少し前から手伝いをしてたが、本格的に店に出るようになったと。
吉「今日はいかがなさいましたか?秀吉様がいらっしゃる時は何かしらの物入りの時」
秀吉「あぁ、ついに信長様が来春に祝言を挙げることになり、その相談に来たんだ。」
吉「それはそれは、おめでとうございます。」
秀吉と吉右衛門はその日夕刻まで話し込んだ。
そこからちょくちょくこの店に通うようになった。
その都度必ずと言っていいほど、葉月がお茶を持ってきてくれ、何度通ううちに見送りの時に軽く話をするくらいになった。