第18章 新たな生命の誕生~幸せな日常~
あぁー、もう歌恋には敵わないな・・・。俺のお役目も御免かな…)
秀吉はそんな事を思いながらも、少し肩の荷がおりたような気がした。
その日の夜ー
先に天主に戻り、1人手酌で酒を飲んで何かにふける信長。
湯浴みを済ませて、秀吉に頼んで出してもらった金平糖を持った歌恋が戻ってくる。
「信長様・・・?」
そっと隣に座り、肩にもつれかかる。
「今日は大変だった見たいですね。」
信長がこれだけ不機嫌になるのは滅多に無い。
ただ、自分の事や、お腹の子のことになると途端にいつもの余裕がどこかへ行ってしまう。
「私はもうどこへも行きませんんよ。私もお腹の子どもも信長様のものですよ…」
「あぁ、わかっている」
一向に自分を見ない信長に歌恋は金平糖を口に挟み、信長の顔を両手で挟むように持ち、口付けをした。
「っ・・・」
「やっと見てくれた。」
「お前には敵わないな・・・」
口の中で金平糖をころがし、見つめ合う。
そして、そっと抱きしめた。
二人はそのまま抱きしめあったまま眠りについた。