第16章 届けこの思い~幸せはすぐそこに~
弥生になり信長は祝言の準備の為に京へと頻繁に来ていた。
本能寺跡に文を埋めたのは必ず歌恋に届くと信じ・・・。
京へ来ると必ず信長も歌恋と出会ったこの場所へと足を運び、愛しい妻になる歌恋と話しができるような気がしていた。
佐助が言うにはもうすぐ例の『わーむほーる』とやらが出現するとの事。
それに歌恋が気づいてくれれば…
信長は限界に近かった。
この三ヶ月愛する者がそばに居ないと言うだけでこんなにも違うのか…。
あの暖かく、どこか落ち着く声。
褥になると、華奢な身体で精一杯俺を受け入れようとする姿。
抱いた後は必ず涙を流して俺に「愛しています」と。
ここまで俺を変えた歌恋をこの手で早く抱きしめたかった。
もうすぐ会えると信じて・・・