第15章 叶わぬ思い~離れていてもあなたを愛しています~京都編②
「そろそろ話してくれないか…、お腹の子どもの事。いなくなった半年間の事を・・・」
私はそろそろ話さないといけないと思っていた。
だけど、信じてもらえるかわからない、下手にお腹の子に何かあっては行けないとこの二ヶ月頑なに言わないでいた事実を話すことにした。
半年前、タイムスリップして戦国時代に行っていた事。そこで本能寺の変で亡くなるはずの信長様を助けた事、安土城で過ごしたこと・・・
「お腹の子どもの父親はあの『織田信長」』なの。」
「私は信長様と恋仲になり、祝言を挙げる約束をしてくれていたの」
祖父母の顔が驚きでなんとも言えない表情になり、声が出てこなかった。
「もう二度と現代には戻らないと決めていたの・・・、だけど歴史を変えた事で何らかの力が働いて信長様や私、お腹の子を狙って歴史を戻そうとしているの・・・」
「そんな・・・」
おばあ様が思わず声を上げた。
「もう向こうへは戻らないのかい?」
おじいさまが、言いづらそうに聞いてきた。
「私は今でも向こうへ戻りたいと思っているの。それがおじいさまとおばあ様をどんなに悲しませることになるかは良く分かっている・・・でも、あの方のそばでこの子を産み育てたいの!」
おばあ様はおじい様の後ろで泣いていた…。
分かっている。ここまでしてもらっているのにたった半年たらずの関わりで孫娘を取られるなんて・・・。