第15章 叶わぬ思い~離れていてもあなたを愛しています~京都編②
あれは舞花、歌恋の母親が22歳の時。
あの当時は今よりもお店が忙しくて、あまりコミュニケーションを取れてなかったんだ・・・。
大学を卒業して、お店を手伝っていた舞花はあの当時、家の店にちょくちょく来ていた大学教授の父に密かに恋をしていた。
父もお店の看板娘として働く母の姿に惹かれていき、二人は恋に落ちた。
ある日、母にお見合いの話を切り出すと母は父と付き合っているから受けないと話した。
祖父はそんなに年の離れた相手なんて認められないと怒り、母はそのまま家を飛び出し、父の元へ行った。
当時父は、祖父母の家に伝えられている話を調べる為にちょくちょく来ていた。
父は母が飛び出してきたとしり、祖父母の元へ許しをこうも出るわけもなく、研究の為の調査も断られそのまま父は横浜へもどり、母は許して貰えないなら結婚はしないと言ってお見合いを断った。
「そんな事があったの・・・、」
「あぁ、あの時は舞花の気持ちも考えずに頭ごなしに言って私も若かったんだよ・・・」
祖父の顔は寂しげな顔で、どこか信長にも似てると思っていた。