第15章 叶わぬ思い~離れていてもあなたを愛しています~京都編②
目を覚ますと見慣れない天井が見えた。
あったかい手・・・
(信長様の手みたい・・・。)
「歌恋!!」
「よかった…目を覚まして。」
祖父が歌恋の手を握ってくれていた。
「ここは・・・?」
「病院よ。」
祖母が頭を撫でてくれながら心配そうな目で見ている。
「あっ、赤ちゃんは?」
「大丈夫よ。」
その後祖父母から事情を聞いた。
2日前の事。
部屋でお腹をおさえて倒れていたのを食事に呼びに来た祖母が見つけ病院に運ばれたと。
一時は命すらも危なかったと。
だけど、なんとか命を取り留めたと。
発見も早くて、病院で処置もすぐに出来たから母子ともに助かったと。
そらから三日後に退院し、祖父母の家に戻った。
しばらくは絶対安静だから動く事は出来ないと言われ、部屋でひたすら過ごしていた。
コンコンー
部屋をノックすると祖父母が入ってきた。
「歌恋、アルバム見ないかい?」
「アルバム?」
祖父母の家にアルバムがあるのは知っていたが、見た事無い表紙のアルバムだった。
「これはね、歌恋の父親と母親の写真のアルバムだよ。」
祖母が懐かしんでるような目をしていた。
「父様、母様の?」
祖母「そう。」
祖父「ちょうど舞花(母親)がいまの歌恋と同じ位の時のだ。今まで見せてこなかっただろう・・・?」
「うん」
両親は結婚が決まった時、祖父母に反対されていたとは聞いていた。
母と父は年の差15歳。
まだ22歳だった母は15も年上の父と恋に落ちた。そして私が産まれた事くらいしかしらなかった。
祖父母は母が結婚する時の話を初めてしてくれた。